難しい〜旧法と借地借家法の関係

2007/02/01

不動産の豆知識

t f B! P L
こんにちは^^ツノダです。

今日は旧借地法・旧借家法・旧建物保護法と借地借家法の関係に
ついてお話します。

まずは、旧法には以下のようなものがあります。
建物保護ニ関スル法律(明治42年5月1日法律第40号、建物保護法)
借地法(大正10年4月8日法律第49号)
借家法(大正10年4月8日法律第50号)
もちろん今はは廃止されました。


では、新しく出来た借地借家法とは、不動産の賃貸借契約における賃借人を保護する目的で制定された3つの法律(借地法、借家法及び建物保護法)を統合したもだとお考え頂ければわかりやすいと思います。

但し、本法の施行後もそれらの法律が意味を失ったわけではないのです。
↑↑↑
ココがちょっとわかりにくい。


原則としては、借地借家法は1992年(平成4年8月1日)の施行前に生じた事項にも適用されるのですが、施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては従前の例により、施行前にされた建物賃貸借契約の更新拒絶通知及び解約申入れに関しては従前の例によるなど、一部の事項については旧借地法・旧借家法が適用される事になっています。※施行後に更新された場合も旧借地法・旧借家法が適用され続ける。


借地借家法の施行日(平成4年8月1日)以降に設定された借地権・借家権については、借家借家法が適用され、旧法が適用される事はない。←ポイント


具体的には、この法律の施行前に設定された借地権については、その借地権の目的である土地の上の建物が朽廃による消滅に関しては旧法が適用され(5条)期間満了前に借地上の建物が朽廃した場合には、借地権はその時点で消滅する(旧借地法2条1項但書)

参考までに、旧法下の契約書の更新に関しては(更新の回数に関わらず)旧法が適用され(借地借家法附則6条)更新後の存続期間は賢固建物については(最低)30年、非賢固建物については(最低)20年となります。


考え方として借地借家法の規定上は、施行前に設定された権利についても借地借家法は適用されるのが原則なので(附則4条)、例えば旧法下の借地関係についても当事者の合意によって借家人の造作買取請求権を排除できる点や、旧法下の借地権についても、借地借家法によって創設された新制度(一定の掲示による対抗力の承認(10条2項))は適用されると考えられるので注意が必要です。
※第2項の掲示による対抗力の維持は滅失した建物に登記があった場合に限る。


このように考えれば...
附則本条では、借地上の建物の滅失を基準として建物の滅失が平成4年7月31日までに生じたときは、建物保護に関する法律第1条を適用し、平成4年8月1日以降借地上の建物が滅失したときは、新借地借家法第10条第2項の規定を適用し、建物の滅失によっても未登記借地権の対抗力は直ちに失われるものではなく、同項の定める手続をとれば借地権の対抗力を継続させることができることを明らかにしたものと考えられる。


旧借地法では、借地権の対抗要件については特別の定めを設けていなかったが、建物保護に関する法律により、民法上の地上権及び建物賃借権の対抗要件の拡張を図っていた。この建物保護に関する法律が新借地借家法の施行に伴い廃止され、これに代わって、借地借家法では、その第10条により借地権の対抗力に関する民法の原則に対する特例的拡張規定を設けている。

これら建物保護に関する法律第1条による借地権の対抗要件と、新借地借家法第10条が規定する借地権の対抗要件とは若干の差があり、また建物保護に関する法律第1条の解釈にも意見の対立があった。


実際には、平成4年7月31日以前に結んだ契約はどうなるのか??


★契約の更新に関する部分は平成4年7月31日以前に成立している借地・借家関係には適用されない。

★その他の改正部分は既存の借地・借家関係にも適用される。具体的には...
【借地関係】
1.建物滅失の場合の対抗力の維持(借地借家法10条2項)
2.地代増減請求及びその手続き(借地借家法11条1項)(民事調停法24条2、24条3)
3.借地条件の変更の裁判(借地借家法17条1項)

【借家関係】
1.家賃の増減請求及びその手続き(借地借家法31条1項)(民事調停法24条2、24条3
2.造作買取請求権の合意排除(借地借家法33条1項)
3.借地上の建物賃借人の保護(借地借家法35条1項)



ここでもう一歩踏み込んでみると...法律は難しいと痛感しました。
借地借家法の借地借家法10条2項についての判例記事ブログです。
(東京・台東借地借家人組合)リンクの許可を頂いております。
http://blog.goo.ne.jp/sumaino1/e/3386d2677ba7d86d54151124bc674ea8興味がある方はご覧下さい。



最後に、借地借家法は非常に難しい内容です。
私も今回の記事については千葉県庁の不動産業課に質問してみたり、本(借地・借家の法律常識:日本実業出版社)を参考に書かせていただきました。

不動産屋でも旧法と借家借家法の使い分けを理解していない方が多いようです。
先程紹介した本(借地・借家の法律常識:日本実業出版社)は非常にわかりやすい本ですから是非参考にしていただくといいですよ。

では、難しい話でしたが最後まで読んでくれてありがとうございました。

QooQ